おちび

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判型:四六判上製
ページ数:588ページ
初版:2019年11月29日

ISBN:978-4-488-01098-0
Cコード:C0097

装画:エドワード・ケアリー
装幀:東京創元社装幀室


内容紹介

革命期のパリを舞台に大志を抱いた孤児が奮闘する物語。ひねりの利いた、身の毛もよだつ作品だが、読んだら決して忘れられない。その孤児はやがて王族とも急進派とも同様に友人となり、後に伝説のマダム・タッソーとなる。
1761年、マリーというちょっと変わった容貌の小さな女の子がアルザスの小さな村に生まれた。両親の死後、彼女はいささか風変わりな蝋彫刻家の弟子となり、パリの裏通りにやってくる。そこでふたりは尊大で支配的な未亡人と内気でおとなしく蒼白いその息子と出会う。四人は、使い手のない「猿の館」を改装して蝋の顔を展示し、その見世物は一大センセーションを巻き起こす。マリーは芸術的才能を買われてヴェルサイユ宮殿に呼ばれ、王女の教師となり、出産で命を落としかねなかったマリー・アントワネットを救う。しかし宮殿の外では時代が動きだしていた。革命期の動乱のなか、民衆は王族の首を要求し……。ついに蝋人形館は……。
エドワード・ケアリーの『おちび』は比類なき作品で、ひとつの世界を創ることになる「血に染まった小さな少女」の驚異の物語である。


エドワード・ケアリー

1970年にイングランド東部のノーフォーク州で生まれる。これまでに『望楼館追想』(2000)、『アルヴァとイルヴァ』(2003)、〈アイアマンガー三部作〉(2013, 2014, 2015)、『おちび』(2018)、『呑み込まれた男』(2020)、『飢渇の人』(2021)、スケッチ集『B:鉛筆と私の500日』(2021)を発表。イラストレーター、彫塑家としても国際的に活躍。現在はアメリカ合衆国テキサス州で妻と子供ふたりと暮らしている。妻はアメリカの作家エリザベス・マクラッケン。
http://edwardcareyauthor.com


古屋美登里

(フルヤミドリ )

翻訳家。訳書にエドワード・ケアリー『望楼館追想』(創元文芸文庫)、『アルヴァとイルヴァ』(文藝春秋)、〈アイアマンガー三部作〉『おちび』『飢渇の人』『呑み込まれた男』(以上、東京創元社)、M・L・ステッドマン『海を照らす光』(ハヤカワepi文庫)、B・J・ホラーズ編『モンスターズ 現代アメリカ傑作短篇集』(白水社)、デイヴィッド・マイケリス『スヌーピーの父 チャールズ・シュルツ伝』、カレン・チャン『わたしの香港 消滅の瀬戸際で』(以上、亜紀書房)ほか。著書に『雑な読書』『楽な読書』(以上、シンコーミュージック)。