泡坂妻夫
(アワサカツマオ )1933年東京生まれ。75年「DL2号機事件」が第1回幻影城新人賞佳作となりデビュー。78年『乱れからくり』で第31回日本推理作家協会賞、82年『喜劇悲奇劇』で第9回角川小説賞、88年『折鶴』で第16回泉鏡花文学賞、90年『蔭桔梗』で第103回直木賞を受賞。著書に『亜愛一郎の狼狽』『湖底のまつり』『煙の殺意』『妖女のねむり』『しあわせの書』『生者と死者』『夜光亭の一夜』等がある。奇術界でも著名で、69年に石田天海賞を受賞。2009年没。
長身で華麗な顔立ちにもかかわらず、運動神経はまるでない、という青年カメラマン亜愛一郎が披露する独特の論理、並外れた推理力。
激流に押し流された紀子は若者晃二に救われ一夜を共にするが、翌日村人から彼は既に死亡していると告げられる。妖艶な推理ロマン。