火星のドーム都市で研究されていたテレポーテーション技術の、初の人体実験。それは大成功を収めたかに見えたが、被験者となった科学者の身辺で奇妙な事件が多発する。一方、火星の荒野で発見された12000年前の巨石遺跡は、太陽系全土に足跡を残す古代文明の実在を示す証拠と思われたが、考古学遠征隊には危機が迫る。『星を継ぐもの』の巨匠ホーガン円熟期の傑作!
ジェイムズ・P・ホーガン
1941年、英国ロンドン生まれ。コンピュータ・セールスマンだったが、1977年に一気に書き上げた長編『星を継ぐもの』でデビュー。同書は日本に翻訳紹介されると同時に爆発的な人気を博し、翌年の星雲賞を受賞。さらに『創世記機械』『内なる宇宙』でも同賞を受賞した。『造物主(ライフメーカー)の掟』『時間泥棒』など、最新科学技術に挑戦する作品を矢つぎばやに発表し、現代ハードSFの旗手として幅広い読者を獲得した。また『未来の二つの顔』『未来からのホットライン』『星を継ぐもの』は星野之宣によって漫画化されている。2010年没。
内田昌之
(ウチダマサユキ )1961年生まれ。神奈川大学外国語学部卒業。英米文学翻訳家。主な訳書に、ホーガン『量子宇宙干渉機』『揺籃の星』、レズニック『キリンヤガ』、スコルジー『老人と宇宙』ほか多数。