百万年前、故障を起こした異星の自動工場宇宙船が土星最大の衛星タイタンに到着、工場を建設した。ところが、本来は着陸した衛星の天体の資源を加工し、母星に送り出すことになっていたのに、ロボットの製造情報に混乱が生じ、各ロボットが独自性を持って進化しはじめた。21世紀に地球の探査宇宙船が到着したとき、ロボットたちは地球の中世そっくりの社会をつくりあげていた! 訳者あとがき=小隅黎
ジェイムズ・P・ホーガン
1941年、英国ロンドン生まれ。コンピュータ・セールスマンだったが、1977年に一気に書き上げた長編『星を継ぐもの』でデビュー。同書は日本に翻訳紹介されると同時に爆発的な人気を博し、翌年の星雲賞を受賞。さらに『創世記機械』『内なる宇宙』でも同賞を受賞した。『造物主(ライフメーカー)の掟』『時間泥棒』など、最新科学技術に挑戦する作品を矢つぎばやに発表し、現代ハードSFの旗手として幅広い読者を獲得した。また『未来の二つの顔』『未来からのホットライン』『星を継ぐもの』は星野之宣によって漫画化されている。2010年没。
小隅黎
(コズミレイ )本名・柴野拓美。1926年金沢生まれ。日本初のSF同人誌〈宇宙塵〉主宰。「小隅黎」は翻訳・創作に使用する筆名である。1950年、東京工業大学卒業。主な訳書に、スミス《レンズマン》シリーズ、ホーガン『造物主の掟』『造物主の選択』『時間泥棒』、ニーヴン『リングワールド』など多数。主な著書に『北極シティの反乱』ほか。2010年1月16日歿。