「この屋敷の本質は“邪悪”だとわたしは考えている」心霊学者モンタギュー博士の調査のため、幽霊屋敷と恐れられる〈丘の屋敷〉に招かれた3人の協力者。子供部屋の異様な冷気、血塗れの床、壁に書かれる「エレーナ、うちに、かえりたい」の文字――。次々と怪異が起きる屋敷に、協力者の一人、エレーナは次第に魅了されてゆく。恐怖小説の古典的傑作。(初刊時題名『たたり』を改題)
シャーリイ・ジャクスン
アメリカの作家。1916年、カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ。48年、長編The Road Through The Wallで本格的にデビュー。また、同年〈ニューヨーカー〉誌に発表した短編「くじ」が大きな評判を呼ぶ。著作に、『丘の屋敷』、『ずっとお城で暮らしてる』、『なんでもない一日』、エッセイ『野蛮人との生活』などがある。65年没。
渡辺庸子
(ワタナベヨウコ )法政大学(通信課程)日本文学科卒。訳書にジャクスン『丘の屋敷』、キーン《ナンシー・ドルー・ミステリ》シリーズ他多数。