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その異様な読後感から〈奇妙な味〉と呼ばれる、ジャンルを越境した不可思議な小説形式。本書には当代随一のアンソロジストが選んだ本邦初訳作5篇を含む12篇を収めた。死んだ母親からの晩餐の誘いに応じた兄妹の葛藤を描くファンタスティックな逸品「終わりの始まり」。美しい二頭の犬につきまとわれる孤独な主婦の不安と恐怖を綴った「銀の猟犬」など、多彩な味をご賞味あれ。
クリストファー・ファウラー「麻酔」
ハーヴィー・ジェイコブズ「バラと手袋」
キット・リード「お待ち」
フィリス・アイゼンシュタイン「終わりの始まり」
エドワード・ブライアント「ハイウェイ漂泊」
ケイト・ウィルヘルム「銀の猟犬」
シオドア・スタージョン「心臓」
フィリップ・ホセ・ファーマー「アケロンの大騒動」
ロバート・エイクマン「剣」
G・K・チェスタトン「怒りの歩道──悪夢」
ヒラリー・ベイリー「イズリントンの犬」
カール・エドワード・ワグナー「夜の夢見の川」
G・K・チェスタトン
1874年イギリス生まれ。作家、評論家。逆説と諧謔の大家として知られ、〈ブラウン神父〉シリーズに代表される短編推理小説は、コナン・ドイルの作品と並んで後世の作家たちに計り知れない影響を与えた。また長編『木曜の男』などに顕著な独特の幻想性により、現在でも熱狂的な読者を獲得している。1936年没。
中村融
(ナカムラトオル )1960年生まれ。中央大学法学部卒、英米文学翻訳家。編著に「影が行く」「時の娘」「星、はるか遠く」、主な訳書にウェルズ「宇宙戦争」、ウィンダム「トリフィド時代」、ブラッドベリ「万華鏡」「何かが道をやってくる」ほか多数。