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江戸川乱歩が「人生の怪奇を宝石のように拾い歩く詩人」と評した、詩人にして探偵作家・城昌幸の掌篇傑作選全二巻。本巻では、たった四頁に人生の悲哀が淡彩画の筆致で浮かぶ「ママゴト」、 自殺した男の残した企みが読者にも忘れ難いイメージを残す「スタイリスト」など、自選集『みすてりい』全篇に、探偵小説第一作「脱走人に絡る話」や城左門名義の散文詩的作品などを増補。跋=江戸川乱歩/解説=長山靖生/初出一覧・編集後記=藤原編集室
城昌幸
(ジヨウマサユキ )1904年東京府生まれ。23年、詩人として日夏耿之介と西條八十の門を潜る。石川道雄、矢野目源一らと興した同人雑誌〈東邦芸術〉に城左門名義で詩を発表、30年に第一詩集『近世無頼』を刊行する。25年に城昌幸名義で「秘密結社脱走人に絡る話」を〈探偵文芸〉に寄稿、探偵作家として〈新青年〉を中心に怪奇・幻想の味わいをもつ掌篇小説を発表する。さらに39年に始まった〈若さま侍捕物手帖〉シリーズは「五大捕物帳」のひとつに数えられるほどの人気を博す。ショートショートの先駆者としても名高く、戦後は〈宝石〉の創刊に携わり、のちに宝石社の社長となる。76年没。