世界情勢の変化と電子書籍の普及により、紙の本が貴重な文化財となった近未来。そんな時代に、本を利用者に無料で貸し出す私立図書館があった。“特別保護司書官”のワルツさんが代表を務める、さえずり町のサエズリ図書館。今日もまた、本に特別な想いを抱く人々がサエズリ図書館を訪れる──。書籍初収録短編を含む、本と人の奇跡を描いた伝説のシリーズ第1弾、待望の文庫化。著者あとがき(単行本版、文庫版)=紅玉いづき
第一話「サエズリ図書館のカミオさん」
第二話「サエズリ図書館のコトウさん」
第三話「サエズリ図書館のモリヤさん」
第四話「サエズリ図書館のワルツさん」
番外編「ナイト・ライブラリ・ナイト 真夜中の図書館のこどもたち」
紅玉いづき
(コウギョクイヅキ )1984年石川県生まれ。金沢大学卒。2006年『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞〈大賞〉を受賞し、07年同作でデビュー。他の著作に『現代詩人探偵』『ブランコ乗りのサン=テグジュペリ』『毒吐姫と星の石 完全版』『15秒のターン』などがある。