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30年前に一世を風靡し、「新本格ブーム」を引き起こした伝説の名探偵・屋敷啓次郎。行く先々で事件に遭遇するものの、その解決率はほぼ十割を誇る──。時は過ぎて現代、老いたヒーローは資産家一家に届いた脅迫状の謎をめぐり、タレントとしても活躍している探偵・蜜柑花子と対決することになるが……。名探偵たちの生き様を、鮮烈に描いた第23回鮎川賞受賞作、待望の文庫化。解説=村上貴史
市川哲也
(イチカワテツヤ )高知県生まれ。太成学院大学卒。2013年『名探偵の証明』で、第23回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。『名探偵の証明 密室館殺人事件』『名探偵の証明 蜜柑花子の栄光』とデビュー作をシリーズ化し好評を博す。著作は他に〈名探偵の証明〉シリーズスピンオフである、『屋上の名探偵』『放課後の名探偵』、初のノンシリーズ長編『あの魔女を殺せ』がある。