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グロテスクな生(いき)人形の作り手として、賛辞を集める常世三姉妹。彼女たちの人形にはまるで人の魂が宿っているかのような迫力があり、世界中の好事家を魅了していたが、一方でその人形作りについて黒い噂が囁かれていた。三姉妹の新作発表の場に立ち会うことになったフリーライター・麻生真哉は、六歳の娘とともに群馬の山中にある館に向かう。ところが新作人形の発表の夜、三姉妹の長女が殺害される。現場はほぼ密室。館も孤立状態となり、残された姉妹は、館中を捜索し始めるが――。ある魔術を受け継ぐ一族を巡る驚愕の事件を巧みに描いた、鮎川賞作家の最新作。
市川哲也
(イチカワテツヤ )高知県生まれ。太成学院大学卒。2013年『名探偵の証明』で、第23回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。『名探偵の証明 密室館殺人事件』『名探偵の証明 蜜柑花子の栄光』とデビュー作をシリーズ化し好評を博す。著作は他に〈名探偵の証明〉シリーズスピンオフである、『屋上の名探偵』『放課後の名探偵』、初のノンシリーズ長編『あの魔女を殺せ』がある。