【第3回鮎川哲也賞受賞作】
短大生の入江駒子は『ななつのこ』という本に出逢い、ファンレターを書こうと思い立つ。身辺を騒がせた〈スイカジュース事件〉をまじえて長い手紙を綴ったところ、事件の“解決編”ともいうべき返事が舞い込んだ……! こうして始まる駒子と作家のやりとりが鮮やかにミステリを描き出す、清新な連作長編。
加納朋子
(カノウトモコ )一九六六年福岡県生まれ。文教大学女子短期大学部卒。九二年『ななつのこ』で第三回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。九五年「ガラスの麒麟」で第四十八回日本推理作家協会賞を、二〇〇八年『レインレイン・ボウ』で第一回京都水無月大賞を受賞。主な著書に〈駒子〉シリーズのほか『掌の中の小鳥』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』『空をこえて七星のかなた』などがある。