〈駒子シリーズ〉のヒロイン・入江駒子の愛読書が、すてきな絵本になりました!
初めて書いた小説『ななつのこ』で鮎川哲也賞を射止めて以来、常に良質のミステリを紡ぎ、一線で活躍している加納朋子さん。一方、『ななつのこ』の文庫化を皮切りに、加納作品『魔法飛行』『スペース』『掌の中の小鳥』『沙羅は和子の名を呼ぶ』『ささら さや』『てるてるあした』の装画を担当している菊池健(きくち・たけし)さん。
お二人の素晴らしいコラボレーションを存分にお楽しみください。
本書の主人公は、ある村に住む「はやて」という男の子と、はやてが「あやめさん」と呼ぶきれいな女の人です。あやめさんは体が弱く、出歩くこともままなりません。訪う人もない寂しい毎日を送っているので、はやてのことを歓迎してくれます。村の出来事をあれこれ話すと、あやめさんは熱心に耳を傾け、はやてが「ふしぎでしょ?」と言ったことには、「こういうことじゃないかしら」と謎解きをしてくれるのでした。
心やさしく、そしてせつなくもなる、はやてとあやめさんのふれあい。加納さん、菊池さんからの、郷愁に満ちた温かいメッセージを受け取っていただければ幸いです。