福の助は二つ目ながら、若手真打ちが主に出演する落語会にお呼びがかかり、予告した演目を変えられないこの会で『厩火事』をかけることに。一方、亮子が勤める学校で妙ちきりんな事件が発生。さらに落語会当日に亮子の父から違う噺を演ってくれと頼まれて……。果たして福の助はこの事態を切り抜け、事件を解決できるのか?落語を演じて謎を解く! 本格落語ミステリ集、第三弾。
愛川晶
(アイカワアキラ )1957年福島県生まれ。筑波大学卒。94年、『化身』で第五回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。〈神田紅梅亭寄席物帳〉シリーズとして、本書の他『道具屋殺人事件』『芝浜謎噺』『うまや怪談』がある。他に『六月六日生まれの天使』『ヘルたん』『十一月に死んだ悪魔』など著書多数。