判型:文庫判
ページ数:323ページ
初版:1995年9月29日
ISBN:978-4-488-28203-5
Cコード:C0197
文庫コード:M-ケ-1-3
装幀:小倉敏夫
深夜。丘陵地帯を車で流していたデッカーは、不審な動きに目をとめた。甲高い泣き声に導かれていきついたのは、深閑とした新興団地でひとりシーソーに乗って遊ぶ幼子の姿。性別は女、身につけたパジャマは血まみれだったが、虐待を受けた形跡はなく、翌日行なわれた聞き込みでも身元を知る者は現われない。かくて重厚な物語の幕が上がる。
フェイ・ケラーマン
アメリカの作家。1952年生まれ。出産を機に家庭に入り、夫ジョナサンに遅れること1年、『水の戒律』によりデビューした。ロサンゼルス市警のデッカーと正統派ユダヤ教徒のリナの生活感をこまやかに滲ませた、新鮮な警察小説シリーズをスタートさせた。劇作家シェイクスピアが八面六臂の活躍を見せる大長編『慈悲のこころ』も評価が高く、ユニークな存在感を示している。
高橋恭美子
(タカハシクミコ )英米文学翻訳家。訳書に、ラーマー「マーダー・ミステリ・ブッククラブ」「危険な蒸気船オリエント号」「野外上映会の殺人」、クレイス「容疑者」「約束」「指名手配」「危険な男」、クリスティー「蒼ざめた馬」など。