ジェーンたちの目の前で、豆博物館の館長が殺された。凶器は博物館に展示されていた骨董品のデリンジャー。創設者の遺産を巡る揉め事や、新館長の座を巡るいざこざで、館内は火種には事欠かない。ジェーンは、ボランティアとして博物館を手伝う傍ら、事件解決に頭を絞る。主婦探偵が犯人を追いつつ、縁結びもたくらむ第八弾。
ジル・チャーチル
アメリカの作家。1943年カンザス州生まれ。本名のジャニス・ヤング・ブルックス名義で作家デビューし、歴史小説やノンフィクションを刊行したあと、1989年にチャーチル名義で『ゴミと罰』を発表。アガサ賞最優秀処女長編賞とマカヴィティ賞処女長編賞を受賞する。同書を第一作とする、シカゴの専業主婦ジェーンを探偵役にした〈主婦探偵ジェーン・ジェフリイ・シリーズ〉で、一躍コージー・ミステリ界の人気作家となる。ミステリの著作にはほかに、1930年代のアメリカを舞台にした〈グレイス&フェイヴァー・シリーズ〉がある。
浅羽莢子
(アサバサヤコ )1953年生まれ。英米文学翻訳家。東京大学文学部卒。主な訳書にセイヤーズ『学寮祭の夜』、チャーチル『ゴミと罰』、マクラウド『納骨堂の奥に』、キャロル『死者の書』、ピーク『ゴーメンガースト』など多数。2006年歿。