あの親友シェリイが今度ばかりは気もそぞろだった。高校時代のクラブの同期会、かつての内気の虫が再発せぬよう、手伝いがてらジェーンにも出席してほしいのだという。撫然としながらも、それはそれ。だが、個性ばらばらな女7人が火花を散らす一夜が明けたとき、出席者の1人が死体に……? 主婦探偵ジェーンが右往左往する快調第4弾。解説=岩田清美
*TBS系列でドラマ化「ご近所探偵・五月野さつき2 殺意の同窓会」2007年11月19日放送予定
ジル・チャーチル
アメリカの作家。1943年カンザス州生まれ。本名のジャニス・ヤング・ブルックス名義で作家デビューし、歴史小説やノンフィクションを刊行したあと、1989年にチャーチル名義で『ゴミと罰』を発表。アガサ賞最優秀処女長編賞とマカヴィティ賞処女長編賞を受賞する。同書を第一作とする、シカゴの専業主婦ジェーンを探偵役にした〈主婦探偵ジェーン・ジェフリイ・シリーズ〉で、一躍コージー・ミステリ界の人気作家となる。ミステリの著作にはほかに、1930年代のアメリカを舞台にした〈グレイス&フェイヴァー・シリーズ〉がある。
浅羽莢子
(アサバサヤコ )1953年生まれ。英米文学翻訳家。東京大学文学部卒。主な訳書にセイヤーズ『学寮祭の夜』、チャーチル『ゴミと罰』、マクラウド『納骨堂の奥に』、キャロル『死者の書』、ピーク『ゴーメンガースト』など多数。2006年歿。