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酉乃と心が通じ合ったはずのクリスマスのあの日、しかし彼女の連絡先を聞き忘れたまま冬休みに突入してしまった。あの出来事は夢だったのではないかと、悶々と過ごす僕に、織田さんからカラオケの誘いが。カラオケの後の食事の際に、急に泣きながら飛び出していってしまった織田さんにいったい何が? 僕は酉乃に力を借りるべく『サンドリヨン』へと向かう……。バレンタインでの事件をはじめ、学園内外で巻き起こる謎をたおやかに解く、マジシャン・酉乃初の事件簿。
相沢沙呼
(アイザワサコ )1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。マジックとミステリが融合した作風で人気を博す。その他の著作として『ロートケプシェン、こっちにおいで』『卯月の雪のレター・レター』『マツリカ・マジョルカ』『ココロ・ファインダ』『マツリカ・マハリタ』『雨の降る日は学校に行かない』『スキュラ&カリュブディス─死の口吻─』『緑陽のクエスタ・リリカ─魂の彫塑─』がある。