「死んだ人から、手紙って来ると思う?」
読書が好きなおとなしい高校生・小袖は、法事で祖父のもとを訪ねた際に、従妹(いとこ)から奇妙な質問をされる。祖父宛に最近届いたという手紙は不可解な内容だったが、六年前に亡くなった祖母が昔に書いたもののようだ。それがなぜいまごろになって? 誰かの悪戯なの? 思い悩んだ小袖は、その手紙の謎をある人物に話すことに……。
表題作をはじめ、揺れ動く少女たちの心理を巧みに描いた、鮎川賞作家・相沢沙呼の“日常の謎”短編集。
「小生意気リゲット」
「こそどろストレイ」
「チョコレートに、躍る指」
「狼少女の帰還」
「卯月の雪のレター・レター」
相沢沙呼
(アイザワサコ )1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。マジックとミステリが融合した作風で人気を博す。その他の著作として『ロートケプシェン、こっちにおいで』『卯月の雪のレター・レター』『マツリカ・マジョルカ』『ココロ・ファインダ』『マツリカ・マハリタ』『雨の降る日は学校に行かない』『スキュラ&カリュブディス─死の口吻─』『緑陽のクエスタ・リリカ─魂の彫塑─』がある。