部室で目覚めると、八年間の記憶が失われ高校時代に逆戻り。母校で教師をしているあたしの身に何があったの? しかも親友の実綺は高二の文化祭直前に亡くなっているなんて──。文化祭で念願の「眼鏡屋は消えた」を実演させるため、あたしは同級生に事件の真相を探ることを頼んだ。あたしがもっとも苦手とする、イケメン戸川涼介に。青春時代の甘く切ない事件を、リーダビリティ抜群の筆致で描く、第21回鮎川哲也賞受賞作。
山田彩人
(ヤマダアヤト )1967年東京都生まれ。シナリオライターを経て、2011年、『眼鏡屋は消えた』で第21回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。著作はほかに『幽霊もしらない』『少女は黄昏に住む マコトとコトノの事件簿』『今宵、喫茶店メリエスで上映会を』がある。