乗り過ごした常磐線の車内で、ふと手にしてしまった詞集。それにはドSな霊が取り憑いていた!? 音楽ユニット「ルナティカン」の美人ヴォーカル・広瀬琉奈を名乗る霊は、自分を殺した犯人を捜しなさい、と喚き散らす。確か一ヶ月前に事故死したはずだが……。しぶしぶ彼女のリクエストに応じた入江康輔は、自力での調査に限界を感じ、ある私立探偵に事件の調査を依頼した。戸川涼介という探偵に。『眼鏡屋は消えた』での衝撃のデビューを飾ったイケメン探偵・戸川涼介の名推理と、主人公の悪戦苦闘の日々を、ユーモラスに描く長編ミステリ。第21回鮎川哲也賞受賞第一作。
山田彩人
(ヤマダアヤト )1967年東京都生まれ。シナリオライターを経て、2011年、『眼鏡屋は消えた』で第21回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。著作はほかに『幽霊もしらない』『少女は黄昏に住む マコトとコトノの事件簿』『今宵、喫茶店メリエスで上映会を』がある。