大革命前夜のフランス宮廷で、絶世の美貌をうたわれたルイ16世の王妃マリ・アントワネットをめぐって、奇々怪々な大事件がつぎつぎと持ちあがった。微笑のかげに宿された野望と、虚栄の渦巻く絢爛豪華な王朝絵巻。150万リーヴルのダイヤをめぐって繰りひろげられる宮廷内の暗闘。正体不明の貴族と美しい女山師の陰謀、清純な恋愛などが織りなす波瀾万丈の大ロマン。巨匠大デュマが真価を示す本書は、南ドイツの山中で開かれたフリーメイスンの最高会議で、ヨーロッパ君主制の顛覆を委任された超自然的な能力の持ち主《ジョゼフ・バルサモ》を主人公とした物語にも関連した作品である。第1巻から第3巻までの3部作を上下2巻に収録した。本邦初の完全訳決定版である。