ホームズは間違っていた!『アクロイドを殺したのはだれか』で、エルキュール・ポワロの推理に異を唱え、『アクロイド殺害事件』の真犯人を暴き出した《推理批評》家バイヤールが、今回はシャーロック・ホームズに挑戦した。シリーズ中の代表的長編『バスカヴィル家の犬』におけるホームズ推理の疑問点、矛盾点を指摘し、事件の真相に迫るのみならず、探偵と作家の関係を分析するという知的スリルに満ちた現代文学批評の傑作。訳者あとがき=平岡敦
ピエール・バイヤール
1954年生まれ。パリ第八大学教授(フランス文学)、精神分析家。『アクロイドを殺したのはだれか』、『読んでいない本について堂々と語る方法』等、多くの著作がある。
平岡敦
(ヒラオカアツシ )1955年生まれ。早稲田大学文学部卒業。中央大学大学院修了。現在中央大学講師。主な訳書に、カダレ『誰がドルンチナを連れ戻したか』、グランジェ『クリムゾン・リバー』、ビュッシ『恐るべき太陽』、ジャプリゾ『シンデレラの罠』、カサック『殺人交叉点』他多数。