あたしは魔法執事といっしょに消えたりせず、成人のお祝いも無事終わった。パパも部屋にこもるのをやめてくれた。すべてうまくいったみたいだった。甘かった。正気に戻ったパパは、酔っぱらっていたときより始末がわるかった。軍隊式の毎日でパパには絶対服従。親友のウードとクラブに行ってみれば、ウードは石炭女に夢中。ぷりぷりして行ったトイレでは便器から巨大なイカの触手が。アンドレ・ノートン賞受賞のファンタジー第二弾。
杉田七重
(スギタナナエ )東京都生まれ。東京学芸大学卒。英米文学翻訳家。主な訳書にマコックラン『世界のはての少年』、ヴィック『少女と少年と海の物語』、ドルニック『ヒエログリフを解け』、ダルリンプル&アナンド『コ・イ・ヌール』がある。