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あの本は読まれているか

  【単行本版】

ラーラ・プレスコット
吉澤康子


あの本は読まれているか

ジャンル
海外ミステリ > ミステリ

判型:四六判並製
ページ数:444ページ
初版:2020年4月24日

ISBN:978-4-488-01102-4
Cコード:C0097

装画:M!DOR!
装幀:藤田知子


内容紹介

一冊の小説が世界を変える。
それを、証明しなければ。

アメリカで出版契約金200万ドル(約2億円)のデビュー作
本国で初版20万部で刊行、世界30か国で翻訳決定
アメリカ探偵作家クラブ(MWA)主催の2020年エドガー賞最優秀新人賞ノミネート
Amazon.com2019年9月のベスト・ブック選出

冷戦下のアメリカ。ロシア移民の娘であるイリーナは、CIAにタイピストとして雇われるが、実はスパイの才能を見こまれており、訓練を受けてある特殊作戦に抜擢される。その作戦の目的は、反体制的だと見なされ、共産圏で禁書となっているボリス・パステルナークの小説『ドクトル・ジバゴ』をソ連国民の手に渡し、言論統制や検閲で迫害をおこなっているソ連の現状を知らしめることだった。──そう、文学の力で人々の意識を、そして世界を変えるのだ。一冊の小説を武器とし、危険な極秘任務に挑む女性たちを描く話題沸騰の傑作エンターテインメント! 訳者あとがき=吉澤康子

*第3位〈週刊文春〉2020ミステリーベスト10 海外部門
*第5位〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい! 海外篇
*第9位『このミステリーがすごい! 2021年版』海外編 

◇海外書評より

著者は楽しみながら執筆したにちがいない。その結果、この本は永久に読み続けられるべき小説となった。そして、本書で語られた「秘密」はずっと語り継がれていくはずだ。
──〈サンフランシスコ・クロニクル〉紙

著者は歴史の闇に埋もれた諜報活動や冷戦下のプロパガンダ作戦を描き、類いまれなスパイ小説を創りあげた。
──〈ウォールストリート・ジャーナル〉紙

見事なスパイ小説であり、歴史フィクションであり、心を揺さぶる恋愛も描いている。ページをめくる手が止まらなくなる壮大な作品だ。
──〈コロンバス・ディスパッチ〉紙



◇編集部より

これは、「本」の力を信じている人々の物語です。歴史的な知識がなくてもするする読めるし、とんでもなく面白い。この本のすごさをあらゆる人に伝えたい!
(担当編集者S)

物語はどんどんとんでもない方向に転がっていく。とにかく夢中で最後まで読んで、登場人物に共感したり、腹が立ったり。著者の掌で踊らされているのはわかっているけど、とても満足。
(編集部KK)

黎明期のCIA、女性たちの物語に引き込まれ、夢中で読み進めるうちに、気がついたら世界的な大事件の物語の波に翻弄されているという、類い稀な読書体験でした。
(編集部I)



ラーラ・プレスコット

アメリカ、ペンシルヴェニア州グリーンズバーグ出身。アメリカン大学で政治学を学ぶ。2018年にテキサス大学オースティン校のミッチェナー・センターで美術学修士号を取得。執筆活動を始める前は政治キャンペーンのコンサルタントとして活躍していた。2016年に『あの本は読まれているか』の最初の章をもとにした作品“Aedinosaur”で、クレイジーホース・フィクション賞を受賞。2019年にデビュー作である『あの本は読まれているか』が刊行され、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)主催の2020年エドガー賞最優秀新人賞にノミネートされた。


吉澤康子

(ヨシザワヤスコ )

津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。英米文学翻訳家。エリザベス・ウェイン『コードネーム・ヴェリティ』『ローズ・アンダーファイア』、ラーラ・プレスコット『あの本は読まれているか』など訳書多数。