過去にタイムトラベルして歴史上の重要人物を拉致、現代へ連れ帰り、そっくりのロボットを製作したあと本物は過去へ送り返す。それが自動マネキン社の商売だ。ビリングズの初仕事は、新しい展示計画《千夜一夜物語》の語り聞かせの場面を再現するため、9世紀へ跳んで本物のシェヘラザードを連れ帰ること。だが……シェヘラザードを確保したつもりが、それが15歳の妹ドニヤザードのほうだったとは。追手を振り切り、彼女と時間移動したビリングズだったが――タイムマシンを故障させてしまい、到着した先はいずことも知れぬ世界だった! 訳者あとがき=山田順子
ロバート・F・ヤング
1915年、アメリカ生まれ。1953年、〈スタートリング・ストーリーズ〉誌でデビュー。邦訳された短編集に『ジョナサンと宇宙クジラ』『ピーナツバター作戦』『たんぽぽ娘』(すべて日本オリジナル編集)、長編に『時が新しかったころ』『宰相の二番目の娘』がある。1986年歿。
山田順子
(ヤマダジュンコ )1948年福岡県生まれ。立教大学社会学部社会学科卒業。主な訳書に、アーモンド『肩胛骨は翼のなごり』、キング『スタンド・バイ・ミー』、クリスティ『ミス・マープル最初の事件』、リグズ『ハヤブサが守る家』、プルマン『マハラジャのルビー』など。