七つの銀河系に悪名高い盗賊を、先々で待つ奇妙な依頼。大企業経営者には愛娘に贈ったアンドロイドの恋人の奪還を、全員が仮面を着用する都市の女子大生には市長の仮面の強奪を。驚愕の結末に至る『銀河盗賊ビリイ・アレグロ』。五人の国王に復讐を誓う元王女・真晝(マヒル)と名うての刺客・鹿毛里(カゲリ)の旅路。行く手を阻むのは特殊能力を持つ刺客たち。傑作活劇『暗殺心(アサツシン)』。この二作を合冊化。解説=日下三蔵
「銀河盗賊ビリイ・アレグロ」
双頭の毒蛇
アンドロイド&ロイド
覆面条例
野獣協定
メイド・イン・ジャパン
顔のない道化師
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「暗殺心(アサツシン)」
都筑道夫
(ツヅキミチオ )1929年東京市生まれ。10代の頃から様々な筆名で小説を発表する。やがて翻訳家に転身、早川書房で日本版〈エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン〉の初代編集長を務め、〈ハヤカワ・SF・シリーズ〉の創刊にも尽力。61年に『やぶにらみの時計』で作家として再デビューしたのちは、ミステリやSF、時代小説から脚本、評論に至るまで幅広いジャンルで旺盛な執筆活動を行った。2001年に『推理作家の出来るまで』で第54回日本推理作家協会賞を、02年には第6回日本ミステリー文学大賞を受賞。03年没。