【年間ベスト1位・星雲賞受賞『時間封鎖』に始まる三部作の完結編】
スピン解除から1万年後、〈連環世界〉を旅する
移動都市は荒れ果てた地球をめざす
時間封鎖を乗り越え繁栄を謳歌する地球人類。精神科医サンドラが担当する謎めいた少年が持つノートには、一万年後の未来に復活した人々の手記が綴られていた。サンドラは巡査ボースと協力して少年とノートの謎を追うが、不自然な妨害に遭う。一方、手記中の未来世界では、十二個の惑星を連結した〈連環世界〉を旅する移動都市国家が“仮定体”の謎を解き明かすべく、荒れ果てた地球をめざしていた。《時間封鎖》三部作、遂に完結。解説=大野万紀
*第5位『SFが読みたい!2013年版』ベストSF2012海外篇
ロバート・チャールズ・ウィルスン
1953年、合衆国カリフォルニア州生まれのカナダ人SF作家。1975年にデビュー、長編Mysterium(1994)でフィリップ・K・ディック賞を、『クロノリス―時の碑―』(2001)でジョン・W・キャンベル賞を受賞。代表作『時間封鎖』は、ヒューゴー賞・星雲賞に加え、ドイツ、フランス、イスラエルの文学賞も受賞している。
茂木健
(モギタケシ )1959年生まれ、翻訳家。訳書にウィルスン《時間封鎖》三部作、ティドハー『完璧な夏の日』、ウォルトン『図書室の魔法』《ファージング》三部作ほか多数。著書に『バラッドの世界』『フィドルの本』。