オズラン星に住む両棲類種族から、宇宙船キャリエルと相棒ケフのコンビ宛に、母星への移送依頼が舞い込んだ。透明な水の玉に入ったその知的種族は、同チームにより発見され、“玉蛙”として注目の存在である。蛙たちは実に千年ぶりの帰郷を果たすが、この母星と植民星の断絶には、ある“伝説の船”との因果関係が? 第6弾。
アン・マキャフリー
1926年アメリカ・マサチューセッツ州生まれ。53年にSF専門誌〈サイエンス・フィクション・プラス〉に短編が掲載されデビュー。67年に初長編Restoreeが刊行された。68年にヒューゴー賞ノヴェラ部門を、69年にネビュラ賞ノヴェラ部門を受賞。受賞対象となったこのふたつの中編は、彼女の代表作となる《パーンの竜騎士》シリーズ第1作『竜の戦士』に組み込まれた。やはり69年に刊行された『歌う船』は彼女のもうひとつの代表作である。その後、70年代には「アメリカSF界の女王」と謳われ、80年代にかけてのサイエンス・ファンタジー・ブームの時期には立役者として人気を誇った。2011年没。
嶋田洋一
(シマダヨウイチ )1956年生まれ。静岡大学人文学部卒。翻訳家。主な訳書に、ワッツ「ブラインドサイト」「エコープラクシア 反響動作」「巨星」、フリン「異星人の郷」、マキャフリー「歌う船」他多数。