教会の不快な夜警の登場を皮切りに、不思議な夢や怪異に悩む画家を襲う強烈な恐怖を描く「黄の印」ほか、恐怖と災厄をもたらす戯曲『黄衣の王』にまつわる短編四篇に加え、かつて暗殺教団の神殿で巫女として霊能力を高めたアメリカ人女性が、世界の破滅を目論む八人の妖術師と魔術戦を繰り広げる長編「魂を屠る者」を収録する。不世出の異才の秀作を選り抜いた国内初の傑作集。訳者あとがき=大瀧啓裕
「評判を回復する者」
「仮面」
「ドラゴン路地にて」
「黄の印」
「魂を屠る者」
大瀧啓裕
(オオタキケイスケ )1952年、大阪市生まれ。著書に『魔法の本箱』『エヴァンゲリオンの夢』、訳書にラヴクラフト『文学における超自然の恐怖』、ラッセル『悪魔の系譜』、スミス『ゾティーク幻妖怪異譚』『ヒュペルボレオス極北神怪譚』『アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚』、オブライエン『金剛石のレンズ』、ウィルスン〈始末屋ジャック〉シリーズ他多数。