朧な太陽のもと、魔術や降霊術が横行する地球最後の大陸ゾティーク。ブラッドベリ、ムアコックに影響を与えたことでも知られる異才が、細密かつ色鮮やかな描写で創りあげた美と頽廃の終末世界の物語を、本邦初となる全篇収録の決定版で贈る。地獄の王にそむいた妖術師の復讐譚「暗黒の魔像」、失った鳥を求める波瀾の航海を描く滑稽譚「エウウォラン王の航海」他全17篇を収める。 訳者解題=大瀧啓裕
「ゾティーク」
「降霊術師の帝国」
「拷問者の島」
「死体安置所の神」
「暗黒の魔像」
「エウウォラン王の航海」
「地下納骨所に巣を張るもの」
「墓の落とし子」
「ウルアの妖術」
「クセートゥラ」
「最後の象形文字」
「ナートの降霊術」
「プトゥームの黒人の大修道院長」
「イラロタの死」
「アドムファの庭園」
「蟹の支配者」
「モルテュッラ」
大瀧啓裕
(オオタキケイスケ )1952年、大阪市生まれ。著書に『魔法の本箱』『エヴァンゲリオンの夢』、訳書にラヴクラフト『文学における超自然の恐怖』、ラッセル『悪魔の系譜』、スミス『ゾティーク幻妖怪異譚』『ヒュペルボレオス極北神怪譚』『アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚』、オブライエン『金剛石のレンズ』、ウィルスン〈始末屋ジャック〉シリーズ他多数。