●出口裕弘氏――「私たちはひたすら面白がりながらこの一巻を読めばいい。」(新版解説より)
「恐怖は人間の最も古い、最も強い感情だ」――H・P・ラヴクラフト。かくして人間は、恐怖を手なずけ、さらには恐怖を愉しむために怪奇小説を発明した。本アンソロジー全5巻には、その代表的な名作が網羅されている。このフランス編には、仮面舞踏会に連れ出された青年が、悪夢にも似た一夜を過ごすジャン・ロラン「仮面の孔」など21編に加え、澁澤龍彦の70枚に及ぶ力作解説を収録。解説=澁澤龍彦/新版解説=出口裕弘
マルキ・ド・サド「ロドリゴあるいは呪縛の塔」
シャルル・ノディエ「ギスモンド城の幽霊」
プロスペル・メリメ「シャルル十一世の幻覚」
ジェラール・ド・ネルヴァル「緑色の怪物」
ペトリュス・ボレル「解剖学者ドン・ベサリウス」
グザヴィエ・フォルヌレ「草叢のダイヤモンド」
テオフィル・ゴーティエ「死女の恋」
バルベエ・ドルヴィリ「罪のなかの幸福」
アルフォンス・カル「フルートとハープ」
エルネスト・エロ「勇み肌の男」
シャルル・クロス「恋愛の科学」
ギー・ド・モーパッサン「手」
アルフォンス・アレ「奇妙な死」
ジャン・ロラン「仮面の孔(あな)」
アンリ・ド・レニエ「フォントフレード館の秘密」
マルセル・シュオッブ「列車〇八一」
クロード・ファレール「幽霊船」
ギヨーム・アポリネール「オノレ・シュブラックの消滅」
ポール・モーラン「ミスタア虞(ユウ)」
アンリ・トロワイヤ「自転車の怪」
レオノラ・カリントン「最初の舞踏会」