ニューヨーク、マンハッタン。高層アパートの一室で、死の床にある往年の大女優が、半世紀近く前の殺人を告白した。事件現場は一階、その時彼女は34階の自室にいて、アリバイは完璧だった。その夜は停電で、エレヴェーターは動かなかったというのに。この不可能犯罪の真相は? 彼女の言うファントムとは誰なのか? 怪死事件、殺人、相次いだ拳銃自殺。摩天楼の壮大な謎に挑むのは、コロンビア大学助教授時代の若き御手洗潔! これぞ本格ミステリの騎士・島田荘司の記念碑的傑作。 著者あとがき=島田荘司/解説=ミスター・ペッツ「都市の詩情」
島田荘司
(シマダソウジ )1948年広島県生まれ。武蔵野美術大学卒。81年『占星術殺人事件』でデビュー。御手洗潔シリーズをはじめ、社会派、ユーモアミステリ、冤罪問題にも取り組み、旺盛な執筆活動を続けている。2008年、第12回日本ミステリー文学大賞を受賞。