【第3回創元推理短編賞受賞「高塔奇譚」収録】
浅草十二階こと凌雲閣で幽霊が目撃された――。明治42年、金田一京助のもとへ石川啄木が持ち込んできた、幽霊騒動を報じる新聞記事。家族を養うため探偵業を始めた啄木から強引に誘われ、京助は助手役として調査に加わったのだが……。第3回創元推理短編賞受賞作「高塔奇譚」、人形の頭が男の喉を咬み切ったという奇怪な事件「忍冬」など、全5編を収める連作本格ミステリ。解説=細谷正充
「高塔奇譚」
「忍冬」
「鳥人」
「逢魔が刻」
「魔窟の女」
伊井圭
(イイケイ )1948年埼玉県生まれ。96年「高塔奇譚」で第3回創元推理短編賞を受賞しデビュー。著書に『啄木鳥探偵處』『飾り花』『仮面の義経』がある。