東京駅から新幹線で逃走中の殺人犯が同じ車両で乗り合わせた女性は、警視庁捜査一課の福家と名乗る。目的の京都駅に到着するまで二時間──列車内の攻防にタイムリミット・サスペンスの趣向を凝らした「東京駅発6時00分 のぞみ1号博多行き」など全四編を収録。類稀なる洞察力を駆使して容疑者と対峙する警察官探偵の活躍を描き、現代の倒叙ミステリを代表するシリーズ第五集。解説=小出和代
「是枝哲の敗北」
「上品な魔女」
「安息の場所」
「東京駅発6時00分 のぞみ1号博多行き」
大倉崇裕
(オオクラタカヒロ )1968年京都府生まれ。学習院大学法学部卒業。97年「三人目の幽霊」で第4回創元推理短編賞佳作に入選、翌年「ツール&ストール」で第20回小説推理新人賞を受賞。2001年に最初の著書となる『三人目の幽霊』を刊行する。他の著書に『七度狐』『やさしい死神』『聖域』『白戸修の事件簿』『オチケン!』『小鳥を愛した容疑者』『夏雷』『スーツアクター探偵の事件簿』『樹海警察』『琴乃木山荘の不思議事件簿』『死神刑事』『一日署長』などがある。