期待されつつ伸び悩む若手刑事たちの元に、コーチとして本部から派遣される謎の男・向井。捜査中の失態に悩む刑事、有名俳優の取り調べに苦戦する刑事、尾行が苦手な刑事。彼らに適切な助言を与える向井はなぜ刑事課ではなく人事課の所属なのか? 成長し所轄署から本部に戻った三人が直面した事件と向井の過去が交錯、三人は彼の過去を探り始める。傑作警察小説、待望の文庫化。解説=古山裕樹
堂場瞬一
(ドウバシュンイチ )1963年茨城県生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。新聞社勤務の傍ら、2000年に『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞してデビュー。13年から創作活動に専念。警察小説、スポーツ小説などを中心に多数の作品を発表、幅広い読者を獲得している。また海外ミステリ・ファンとしてもその名を轟かせている。著書に「警視庁追跡捜査係」「警視庁犯罪被害者支援課」「ラストライン」などのシリーズ、『穢(けが)れた手』、『決断の刻(とき)』、『ザ・ウォール』、『ピーク』『デモクラシー』他多数。