8年前に自殺した従姉が住んでいたアパートに越した姉弟が、天井裏で古びた人形を見つけた。人形が秘めていた告発とも読めるメッセージを追って過去への旅を始めた姉弟は、関係者の証言を集めるうちに、自殺とされていた2つの死に「犯罪」の証跡を見出す。第6回鮎川哲也賞佳作となった〈スリーピング・マーダー〉テーマの本格ミステリ。
佐々木俊介
(ササキシュンスケ )1967年青森市生まれ。専修大学文学部国文科卒業。95年、『繭の夏』が第6回鮎川哲也賞に佳作入選し、デビュー。2004年、第2作『模像殺人事件』を上梓。