一一八三年、平清盛の異母弟・平頼盛は一門と決別し、源氏の木曾義仲の監視下、都に留まっていた。そんな頼盛は、彼を知恵者と聞いた義仲に、「首がない五つの屍から恩人の屍を特定してほしい」と依頼され……。第15回ミステリーズ!新人賞受賞作「屍実盛(かばねさねもり)」ほか全五編。平清盛や源頼朝などの権力者たちと対峙しながら、推理力を武器に生き抜いた頼盛の生涯を描く、連作ミステリ。著者あとがき=羽生飛鳥/解説=細谷正充
「禿髪(かぶろ)殺し」
「葵前(あおいのまえ)哀れ」
「屍実盛(かばねさねもり)」
「弔千手(とむらいせんじゆ)」
「六代(ろくだい)秘話」
羽生飛鳥
(ハニュウアスカ )1982年神奈川県生まれ。上智大学卒。2018年「屍実盛(かばねさねもり)」で第15回ミステリーズ!新人賞を受賞。2021年同作を収録した『蝶として死す 平家物語推理抄』でデビュー。同年、同作は第4回細谷正充賞を受賞した。他の著作に『揺籃の都 平家物語推理抄』『『吾妻鏡』にみる ここがヘンだよ!鎌倉武士』がある。また、児童文学作家としても活躍している(齊藤飛鳥名義)。