大学病院の研究棟屋上からの看護師転落事件。目撃証言や防犯カメラの映像では、屋上にはその看護師しか出入りしていなかった。しかし同僚の医師たちと警察がそれぞれ調べ始めると、意外すぎる犯人像が導き出される! 歯科医としての経験から生まれた「病院の人魚姫」ほか、夜空に浮かぶ星々のような煌めきをたたえた全四編。鮎川哲也賞受賞作家が贈る、高純度な本格ミステリ短編集。著者あとがき=安萬純一
「黒いアキレス」
「夏の北斗七星」
「谷間のカシオペア」
「病院の人魚姫」
安萬純一
(アマンジュンイチ )1964年東京都生まれ。東京歯科大学卒。2010年、『ボディ・メッセージ』で第20回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。著作は他に、『ガラスのターゲット』『ポケットに地球儀』『モグリ』『青銅ドラゴンの密室』『王国は誰のもの』などがある。19年刊行の『滅びの掟 密室忍法帖』は、第20回本格ミステリ大賞の候補となる。