全国各地を旅する昆虫好きの心優しい青年・エリ沢泉(えりさわせん。「エリ」は「魚」偏に「入」)。彼が解く事件の真相は、いつだって人間の悲しみや愛おしさを秘めていた──。16年前、災害ボランティアの青年が目撃したのは、行方不明の少女の幽霊だったのか? エリ沢が意外な真相を語る表題作など5編を収録。注目の若手実力派が贈る、第74回日本推理作家協会賞と第21回本格ミステリ大賞を受賞した、連作ミステリ第2弾。著者あとがき(単行本版、文庫版)=櫻田智也/解説=法月綸太郎
「蝉(せみ)かえる」
「コマチグモ」
「彼方(かなた)の甲虫(こうちゅう)」
「ホタル計画」
「サブサハラの蠅(はえ)」
櫻田智也
(サクラダトモヤ )1977年北海道生まれ。埼玉大学大学院修士課程修了。2013年「サーチライトと誘蛾灯」で第10回ミステリーズ!新人賞を受賞。17年、受賞作を表題作にした連作短編集でデビュー。18年、同書収録の「火事と標本」が第71回日本推理作家協会賞候補になった。21年、『蝉(せみ)かえる』で第74回日本推理作家協会賞と第21回本格ミステリ大賞を受賞。