推理小説の名探偵に憧れて開設した〈天野春近探偵事務所〉。主な依頼は浮気調査ばかりと理想どおりにはいかないが、ときに探偵らしい仕事が舞い込むこともある。しかしその大半は、春近の特異な能力を当てにしたものだった。制約の多いその力に振り回されながらも、春近は霊と人を救うため調査にあたる。“霊の記憶が視える”探偵が挑む二つの事件を描いた、霊能力ミステリ!
織守きょうや
(オリガミキョウヤ )1980年ロンドン生まれ。2012年に『霊感検定』で第14回講談社BOX新人賞Powersを、15年に『記憶屋』で第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞する。ほかの著書に『少女は鳥籠で眠らない』『花村遠野の恋と故意』『朝焼けにファンファーレ』『幻視者の曇り空──cloudy days of Mr.Visionary』『花束は毒』などがある。