最愛の妻が逝った。悲しみと驚きに打ちひしがれた僕は、親友夫婦に誘われ、二人の新居に滞在することになる。だが、そこで掻き立てられたのは、新たな悲劇の予感だった。第一次世界大戦直前に建てられ、忌まわしい来歴に彩られた奇妙な石造りの家……錯綜する疑惑と不思議。世にも恐ろしい物語を描きだす、鮮やかな離れわざ!
*第2位『IN★POCKET』文庫翻訳ミステリーベスト10/作家部門
*第5位『IN★POCKET』文庫翻訳ミステリーベスト10/総合部門/評論家部門
ロバート・ゴダード
イギリスの作家。1954年生。ハンプシャー州に生まれ、ケンブリッジ大で歴史を専攻後、公務員をへて、一九八六年に小説の醍醐味れるデビュー作『千尋の闇』を上梓。特に初期長編の幾重にも折り畳まれたような変幻自在の物語の妙味は比類がないが、『永遠に去りぬ』ではこれに人生の苦みが加わり、味わいは深みを増した。当代随一の語り部として今後も目が離せそうにない。
越前敏弥
(エチゼントシヤ )1961年生まれ、東京大学文学部卒業。英米文学翻訳家。ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』『オリジン』、エラリイ・クイーン『災厄の町』『フォックス家の殺人』『十日間の不思議』、フレドリック・ブラウン『真っ白な嘘』『不吉なことは何も』など訳書多数。主な著書に『翻訳百景』『文芸翻訳教室』『この英語、訳せない!』などが、共著に『シートン動物記で学ぶ英文法』などがある。