【サマセット・モーム賞受賞】
1874年の秋、監獄を訪れたわたしは、不思議な女囚と出逢った。ただならぬ静寂をまとったその娘は……霊媒。戸惑うわたしの前に、やがて、秘めやかに謎が零れ落ちてくる。魔術的な筆さばきの物語が到達する、青天の霹靂のごとき結末。魔物のように妖しい魅力に富む、ミステリの絶品!
*第1位「週刊文春」2003年傑作ミステリーベスト10/海外部門
*第1位「このミステリーがすごい! 2004年版」海外編ベスト10
*第3位『IN★POCKET』文庫翻訳ミステリーベスト10/総合部門・評論家部門
サラ・ウォーターズ
1966年に英国のウェールズに生まれ、ロンドンで育つ。98年に TIPPING THE VELVET で小説家デビュー。翌99年に発表した第2長編『半身』が大評判となり、アメリカ図書館協会賞やサンデー・タイムズの若手作家年間最優秀賞、さらに、35歳以下の作家を対象とするサマセット・モーム賞(イアン・マキューアン、ジュリアン・バーンズ、サルマン・ラシュディ、ピーター・アクロイドなど錚々たる顔ぶれを輩出した)に輝き、一躍英国文壇の期待の星となった。他の作品に『荊(いばら)の城』(上下)、『夜愁(やしゅう)』(上下)。
中村有希
(ナカムラユキ )1968年生まれ。1990年東京外国語大学卒。英米文学翻訳家。訳書に、ソーヤー『老人たちの生活と推理』、マゴーン『騙し絵の檻』、ウォーターズ『半身』『荊の城』、ヴィエッツ『死ぬまでお買物』、クイーン『ローマ帽子の謎』など。