【CWA最優秀長編賞受賞作】
シェンステッドのいちばん長い日――2001年12月26日はゆっくりと過ぎていく。村を訪れた女性軍人ナンシーは、その身に迫る危機をまだ知らない。暗闇にひそみ、すべてを操ろうとする謎の男フォックスの、いまだ判然としない正体と狙いは何か? 村の老婦人エイルサの死を中心に広がるいくつもの事件の環は、居合わせた人々を巻きこみ、いま静かに閉じようとしていた。ミステリの新女王、会心の傑作。解説=中辻理夫
*第5位「ミステリが読みたい!2008年版」海外部門
ミネット・ウォルターズ
1949年、イギリス生まれ。幼少期から頭抜けた読書家であり、雑誌編集者を経て小説家となる。1992年にミステリ第1作『氷の家』を発表。いきなり英国推理作家協会(CWA)最優秀新人賞を獲得する。続いて第2作『女彫刻家』でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)のエドガー賞長編賞、マカヴィティ賞長編賞受賞。1994年『鉄の枷』で、2003年『病める狐』でCWAゴールド・ダガー賞を受賞。名実ともに現代を代表する〈英国ミステリの女王〉として活躍している。
成川裕子
(ナリカワヒロコ )1951年沖縄に生まれる。1975年香川大学経済学部卒業。英米文学翻訳家。主な訳書にウォルターズ「氷の家」「病める狐」「遮断地区」「悪魔の羽根」「カメレオンの影」、フォッスム「湖のほとりで」「晴れた日の森に死す」など。