●児玉清氏推薦――「これぞ真のサスペンスというべきか、いつも寒気がするぜ。」(産経新聞2004年8月16日より)
ある雨の晩、ミセス・ラニラは、道ばたで隣人が死にかけているのに出くわしてしまう。警察の結論は交通事故死。だが、彼女には、隣人の死に際の表情が「なぜ私が殺されなければならないのか」と訴えていたように思えてならなかった。それから20年後、ミセス・ラニラは殺人の証拠を求め、執念の捜査を開始する。人間の内に潜む邪悪なものを描き出す、ウォルターズの傑作長編。訳者あとがき=成川裕子
*第3位『IN★POCKET』文庫翻訳ミステリーベスト10/評論家部門
*第3位『2005本格ミステリ・ベスト10』海外本格ミステリ編
*第7位「週刊文春」2004年ミステリーベスト10/海外部門
*第8位「このミステリーがすごい! 2005年版」海外編ベスト10
ミネット・ウォルターズ
1949年、イギリス生まれ。幼少期から頭抜けた読書家であり、雑誌編集者を経て小説家となる。1992年にミステリ第1作『氷の家』を発表。いきなり英国推理作家協会(CWA)最優秀新人賞を獲得する。続いて第2作『女彫刻家』でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)のエドガー賞長編賞、マカヴィティ賞長編賞受賞。1994年『鉄の枷』で、2003年『病める狐』でCWAゴールド・ダガー賞を受賞。名実ともに現代を代表する〈英国ミステリの女王〉として活躍している。
成川裕子
(ナリカワヒロコ )1951年沖縄に生まれる。1975年香川大学経済学部卒業。英米文学翻訳家。主な訳書にウォルターズ「氷の家」「病める狐」「遮断地区」「悪魔の羽根」「カメレオンの影」、フォッスム「湖のほとりで」「晴れた日の森に死す」など。