シカゴの路地裏で父を殺された18歳のエドは、おじのアンブローズとともに犯人を追うと決めた。移動遊園地(カーニバル)で働く変わり者のおじは刑事とも対等に渡り合い、雲をつかむような事件の手がかりを少しずつ集めていく。エドは父の知られざる過去に触れるが──。少年から大人へと成長する過程を描いた巨匠の名作を、清々しい新訳で贈る。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作。 解説=杉江松恋
フレドリック・ブラウン
1906年アメリカ生まれ。新聞社、雑誌社などに勤務のかたわら、執筆を開始。1947年刊行の『シカゴ・ブルース』で、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀新人賞を受賞。多くのミステリ、SF、ファンタジーを発表した。代表作は『真っ白な嘘』『不吉なことは何も』『通り魔』『不思議な国の殺人』『3、1、2とノックせよ』『未来世界から来た男』『天使と宇宙船』『スポンサーから一言』など。奇抜な着想と軽妙な話術で描くショートショートの名手。1972年没