今は亡き〈不可能犯罪の巨匠〉ディクスン・カーの、長編小説以外の精華を集大成した一大コレクション。ことに、傑作怪奇譚をはじめ、ラジオ・ドラマ、ホームズもののパロディ、推理小説論等、多方面にわたる業績を集め、巻末に詳細な書誌を付した本巻はカーの足跡をたどる上で逸することのできない一冊となろう。
「死を賭けるか?」
「あずまやの悪魔」
「死んでいた男」
「死への扉」
「黒い塔の恐怖」
「コンク・シングルトン卿文書事件」
「有り金残らず置いてゆけ!」(エッセイ)
「地上最高のゲーム」(エッセイ)
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「ジョン・ディクスン・カー書誌」ダグラス・G・グリーン編
「カー問答」江戸川乱歩
ジョン・ディクスン・カー/カーター・ディクスン
1906年アメリカ、ペンシルヴェニア州生まれ。1930年に予審判事アンリ・バンコランが登場する『夜歩く』を発表。ギディオン・フェル博士シリーズの『帽子収集狂事件』、ノンシリーズの『皇帝のかぎ煙草入れ』のほか、カーター・ディクスン名義によるヘンリ・メリヴェール卿シリーズ『ユダの窓』など、オールタイム・ベスト級の傑作を次々とものし、熱狂的な読者を獲得。〈不可能犯罪の巨匠〉と呼ばれる。77年没。