みんな一番大切な人のことだけを考えた。
一番大切な人が一番傷つかない方法を考えた。
【『Nのために』特設ページ公開中】
穏やかな石垣島の浜辺で、杉下希美と安藤望は運命的に野崎夫妻と出会った。その出会いはある悲劇への序曲だった――。二年前の秋、台風による床上浸水をきっかけに、同じアパートに住む杉下、安藤、そして西崎真人の三人は親しくなる。それぞれに屈折とトラウマ、そして夢を抱く三人は、やがてある計画に手を染めていく。すべては「N」のために。タワーマンションで起きた悲劇的な殺人事件の真相を、モノローグ形式で抒情的に解き明かす、著者渾身の連作長編。『告白』『少女』『贖罪』に続く、新たなるステージ。
湊かなえ
(ミナトカナエ )1973年広島県生まれ。2005年、第2回BS-i新人脚本賞に佳作入選し、07年には第35回創作ラジオドラマ大賞を受賞する。同年、短編「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞。受賞作を第1話とした連作長編『告白』で09年に第6回本屋大賞を受賞、また同作は08年度〈週刊文春ミステリーベスト10〉の国内部門第1位に選出されるという快挙を果たした。