中井英夫全集11

バラゲンシ

薔薇幻視

中井英夫


薔薇幻視

ジャンル
一般文芸 > 全集
レーベル
創元ライブラリ
シリーズ
中井英夫全集 11

判型:文庫判
ページ数:275ページ
初版:2000年4月28日

ISBN:978-4-488-07031-1
Cコード:C0193
文庫コード:L-な-1-11



内容紹介

欧州取材をもとに薔薇と香りを旅する実用書ならぬ虚用書、『薔薇幻視』『香りへの旅』を収録。時間と空間を超えた中井英夫眷恋の地を、佐藤明撮影の写真多数と共に鮮やかに再現する。“かしこ”にのみあり、ついに“ここ”にはない美の迷宮を訪れた記憶は、しかし決して失われてはいなかったのだ……。カラー口絵96頁。解説=森真沙子


目次

11『薔薇幻視』(2000) 紀行

『薔薇幻視』(1975)
「地下の薔薇園への招待」/「青の神秘について」/「薔薇ならぬ薔薇の旅 I ――パリ・バガテル」/「薔薇ならぬ薔薇の旅 II ――地中海へ」/「薔薇を語る 文/前川文夫」/「小説・薔薇の罠」/「あとがき・薔薇への詫びごと」

『香りへの旅』(1975)
「香りの渓間への招待」/「香りへの旅 I 」/「失われた香を求めて」/「香りへの旅 II 」/「美しい滅びの芸術」/「香りと文字と」/「香りの植物園」/「小説・低地の邑への旅」/「あとがき・花火闇の中で」

解説:森真沙子/解題:本多正一
中井英夫全集付録8(「宴のあとに」澁澤龍子、「旅の記憶」佐藤明)



中井英夫

(ナカイヒデオ )

1922年東京生まれ。東京大学文学部中退。日本短歌社、角川書店で短歌誌編集に従事。1964年、塔晶夫の筆名で刊行されたアンチ・ミステリ『虚無への供物』は、探偵小説の歴史のみならず20世紀文学に金字塔を打ち立てることになった。1974年、『悪夢の骨牌』で第2回泉鏡花文学賞受賞。1993年歿。創元ライブラリ版『中井英夫全集』では、『黒鳥譚』『とらんぷ譚』以下の幻想耽美小説、『香りの時間』に始まる洒脱なエッセイ、戦中日記『彼方より』、詩篇・短歌論など多彩な業績がコンパクトに集成されている。