中井英夫全集2

コクチョウタン

黒鳥譚

中井英夫


黒鳥譚

ジャンル
一般文芸 > 全集
レーベル
創元ライブラリ
シリーズ
中井英夫全集 2

判型:文庫判
ページ数:814ページ
初版:1998年12月25日

ISBN:978-4-488-07024-3
Cコード:C0193
文庫コード:L-な-1-2



内容紹介

転々と居を移しながらそのたび黒鳥館と名づけ、心に黒鳥館主人を称した中井英夫にとって黒鳥とは何の謂だったか、果たして訣別は成ったのか――。20年余の歳月をかけた「黒鳥譚」のほか、初期短篇「皮」「蠅の経歴」「燕の記憶」「青髯公の城」、短篇集『見知らぬ旗』『黒鳥の囁き』、連作長篇『人形たちの夜』を収録。解説=小笠原賢二


目次

2『黒鳥譚』(1998) 小説 II

『黒鳥譚』
「あら【鹿鹿鹿】皮」(1943)/「蠅の経歴」(1947)/「燕の記憶」(1948)/「青髯公の城」(1969)/「黒鳥譚」(1969)

『見知らぬ旗』(1971)
「日蝕の子ら」(1971)/「見知らぬ旗」(1970)/「黒塚」(1970)/「時間の罠」(1971)/「古代旅行者」(1970)/「銃器店へ」(1970)/「禿鷹――あとがきに代えて――」(1970)/「ノート」(1971)

『黒鳥の囁き』(1974)
「鏡のなかへの旅」(1972)/「空き瓶ブルース」(1971)/「死者の誘【いざな】い」(1971)/「炎色反応」(1974)/「黒鳥の囁き」(1973)/「あとがき・黒鳥扼殺者」(1974)

『人形たちの夜』(1976)
I〈春〉「異形の列」(1975)/「真夜中の鶏」(1975)/「跛行【はこう】」(1975)
II〈夏〉「夢のパトロール」(1975)/「海辺の朝食」(1975)/「水妖【オンディーヌ】」(1975)
III〈秋〉「笑う座敷ぼっこ」(1975)/「三途川を渡って」(1975)/「影人【えいじん】」(1975)
IV〈冬〉「憎悪の美酒」(1975)/「歪む木偶」(1976)/「貴腐【プリチュール・ノーブル】」(1976)
「あとがき」(1976)

解説 「恥辱」と「変身」の想像力――中井英夫の戦後についてのノート――:小笠原賢二/解題:本多正一
中井英夫全集付録7(「思い出を少しばかり」山田太一、「冬の薔薇」皆川博子)



中井英夫

(ナカイヒデオ )

1922年東京生まれ。東京大学文学部中退。日本短歌社、角川書店で短歌誌編集に従事。1964年、塔晶夫の筆名で刊行されたアンチ・ミステリ『虚無への供物』は、探偵小説の歴史のみならず20世紀文学に金字塔を打ち立てることになった。1974年、『悪夢の骨牌』で第2回泉鏡花文学賞受賞。1993年歿。創元ライブラリ版『中井英夫全集』では、『黒鳥譚』『とらんぷ譚』以下の幻想耽美小説、『香りの時間』に始まる洒脱なエッセイ、戦中日記『彼方より』、詩篇・短歌論など多彩な業績がコンパクトに集成されている。