ミスターミー

ミスター・ミー

アンドルー・クルミー
青木純子


ミスター・ミー

ジャンル
一般文芸 > 奇妙な味
レーベル
海外文学セレクション

判型:四六判仮フランス装
ページ数:282ページ
初版:2008年10月7日

ISBN:978-4-488-01646-3
Cコード:C0097

装画:古村耀子
装幀:本山木犀


内容紹介

書物に埋もれて暮らす80代の老人、ミスター・ミーは、失われた謎の書物・ロジエの『百科全書』の探索に熱中しパソコン導入に至る。ネット検索の果てに老人は、読書中の裸の女性のライブ映像に行き着いた! 彼女の読んでいる本のタイトルは『フェランとミナール――ジャン=ジャック・ルソーと失われた時の探求』だった。ルソーの『告白』第10巻に登場する謎の人物フェランとミナールの物語と、ルソー専門のフランス文学教授が教え子への恋情を綴った手記、ミスター・ミーのパソコン奮闘記。3つの物語がロジエの『百科全書』を軸に縒り合わされ、結ぼれ、エッシャー的円環がそこに生まれる。訳者あとがき=青木純子


アンドルー・クルミー

Andrew Crumey(1961〜 )
スコットランド、グラスゴー生まれ。セント・アンドリューズ大学で理論物理学と数学を学び首席で卒業。ロンドンのインペリアル・カレッジで理論物理学博士号を取得。大学研究員、高校教師を経て、1994年、"Music, in a Foreign Language " で作家としてデビュー。スコットランド文化振興財団ソルタイアの最優秀処女作品賞を受賞。本書は、第四作目でアーツ・カウンシル・ライターズ・アワード受賞。2003年には、L・ノーフォークやT・フィッシャーなどと同様に文藝誌「グランタ」の選ぶ若手イギリス作家ベスト十二人の一人に推挙されたが、年齢基準を超えていた彼は律儀にこれを辞退した。ボルヘスやカルヴィーノに連なる作風として捉えられることが多く、本国では「文学界のエッシャー」とも言われている。


青木純子

(アオキジュンコ )

1954年東京生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学。訳書に、K・モートン『忘れられた花園』、M・パヴィチ『風の裏側』、L・ノーフォーク『ジョン・ランプリエールの辞書』、B・S・ジョンソン『老人ホーム』、G・アデア『閉じた本』、A・クルミー『ミスター・ミー』、K・アトキンソン『世界が終わるわけではなく』、M・レヴィツカ『おっぱいとトラクター』他。